ぷにゆみ
(1)完結。
はい、というわけでぷにゆみはこれにて完結です。
長くお付き合いいただきました皆様。どうもありがとうございました。
・・・でも「ちび凛」シリーズはもうちょっとだけ続きます。
外伝的なものを3つやります。
今までのみたく長いものではなくて、長さ的にはシングル一回分くらいになります。
どんなものになるのかは、えー、とりあえず下へスクロールってことで。
79. Another Days
──どすんっ。
「いてっ」
腰に衝撃を受けて、思わず声が出ていた。
見渡せばそこには、見割れた場所だった。
新都の一角、ごくごく普通のワンルームマンション。あまり日当たりがよくないこの場所は、家を出た桜が住んでいる所で、ついでに言えば現在入り浸っている所でもある。
(屋敷は……嫌だからな……)
自嘲気味に、そんなことを考えている。
カーテンの隙間から漏れる光は赤く、部屋はやけに暗かった。明かりがついていないからだ、と気づく。時刻は夕暮れ──窓の外を見れば、太陽は雲に隠れている。
移動する際に時間も多少誤差でるのだろうか。ふと不安になり、手近にあった新聞を手繰り寄せる──
(やっぱりだ。三日ずれてる……)
嘆息まじりに新聞を放り捨て、なんとはなしに胸に提げた宝石を弄ぶ──意味はないが、癖のようなものだった。
──ガチャっ……
「せん、ぱい……?」
声は、すぐ近くから聞こえた。
見れば、シャワーでも浴びていたのだろうか──廊下からバスタオルを蒔いた桜が不安そうな表情でこちらをのぞき見ている──
「桜」
囁いた。
それがきっかけだった。
「先輩っ!」
だっ──!
弾かれたように桜が走りだし、彼の胸の中に飛び込んでいだ。
「あ……さく、ら…………?」
茫然と、そう呟く。
「せんぱいぃ……」
水に濡れた髪が、肌に張り付いている。妙に艶めかしい──知らずその髪をそっと撫でている。出来るだけ優しく、彼は尋ねた。
「……どうしたんだ?」
「心配、してたんです……っ」
呟く彼女の声は震えていた。
「先輩、急にいなくなっちゃうから……心配、したんですよぅ………!」
その表情は見えない──が、想像はつく。
あちらの世界に行っていた三日間、自分はいなくなっていたことになっているのだろう。
彼は服が濡れるのにも構わず、そっと桜を上から抱きしめた。
「……ごめんな、桜」
言って、そっと頭を撫でる。
「なあ、桜」
「え……?」
抱きしめたまま、尋ねた。自分の顔を見せたくなかったから。
「オレがここに来て、どのくらい立つっけ」
沈黙は一瞬だった。
「え……と。二年くらい、です」
「そうか──」
茫然としながら、頷く。
「先輩、もうすぐ誕生日ですっ」
えへへ、と笑いかけてくる。
「……うん…………」
きゅ、と唇をかみしめた。
「桜」
名前を囁いて、手に力を込める──
「ごめんな──」
「ふぁっ……」
桜は驚いたような声を出した。
「ごめん、本当に──」
「ど、どうしたんです、か……? 先輩……?」
戸惑ったような、恥ずかしげな、そんな囁きにも、首を横に振ることしかできない──。
「いや──」
言いつつ、ゆっくりと腕を離していく……
はあ、と名残惜しそうな溜息を残して、桜の顔を真正面に見る。
「今度──」
呟いている自分の表情が、桜の瞳の中に映っている。
「今度────さ」
寂しさと、弱さの残った──だがそれでも、真っすぐな表情──
「二人で……、どこか、行こうか──」
その言葉に、桜ははっと息をのんだ。
が……じわじわと表情が崩れ、
「……はい。先輩……」
──桜もまた、穏やかに微笑む──
──夕暮れ。太陽が雲の隙間から顔を出し、部屋の中を赤く照らしていた。
とまあ、本当は本編にのっけようかなー、って思っていたエピソードなんですが。
ナンバリングとかからも推測できるように、結構直前まで迷っていたりしますが、あえてカットということにしました。
そんなかんじでございます。
(2)web拍手コメントに書き込んでいただいた方への返信となります。
今のところペルセウスさんのSSは書く予定は未定です・・・。
(3)PV
GIRL NEXT DOOR。PVどんだけ金かけたんだってゆー。なんか音楽よりそっちが気になったよ・・・
(4)10月4日で
5しゅうねん? になっていました。
03からだからこれでいいんでしたっけ。1足すんでしたっけか。
じゃあえーと5か6周年です!
これからもよろしくおねがいしますーーー
(5)次回
多分wishをやると思います。
でも雨が降ったらやり逃げにします。
よくわかりません。
ではではー。